(作品紹介)
岡本喜八監督が描いた痛快サスペンス喜劇。「ウエスト・サイド物語」ブームが起こっていた当時、大胆なミュージカル的手法を使った演出が話題となった異色の作品。発売元:東宝株式会社・1964年・モノクロ95分
(ストーリー)
昔気質のヤクザの親分(伊藤雄之助)と爆弾犯(砂塚秀夫)が、一緒に出所するところから始まる。親分は、出所日には子分たちがズラリとお出迎え・・・ と思っていたが、どうも勝手が違う。新興勢力のヤクザがシマも子分も乗っ取っていたのだ。
自分の居場所もなく、やけくそになった親分は、爆弾犯に「万年筆爆弾」を作らせ、組を乗っ取ったヤクザにお礼参りに向かうのだが・・・。
(理容店の風景)
市議会議員選に立候補している新興ヤクザが毎週土曜の11時に必ず訪れる理容店。店の前には壁掛け式のサインポールが回っており、椅子は2台で、懐かしいスタイル写真がたくさん飾られている。
ヤクザは入店するなりスチームタオルで顔を蒸され、理容師はマスクをつける。すぐにシェービングを始めるところなのだろうが、この日はトイレの汲み取り員に扮した親分が「汲み取りです」とホースを持ったまま入店し、スチームタオルで顔を覆われている新興ヤクザの上着に万年筆爆弾を仕掛けていく。