(作品紹介)
渥美清の「泣いてたまるか」シリーズの作品である。制作には、全国理容環境衛生同業組合連合会(現全国理容生活衛生同業組合連合会)と中央高等理容学校(現中央理容専門学校、4月からは中央理容美容専門学校と改称される)が協力している。発売元:株式会社スバック・昭和42年2月19日テレビ放映・モノクロ47分
(ストーリー)
妻を亡くした理容店主・小林こうさく(渥美清)のひとり息子・勇二(富川徹夫)が、中央高等理容学校を卒業し、1回で無事に国家試験に合格し、父親の店で働くために帰郷するところから物語が始まる。紋付袴に正装したこうさくは、駅から店に帰る道ですれ違う人ごとにひとり息子の免許証を掲げ、胸を張り歩く。途中、幼馴染で戦友でもある、隣の和菓子屋・元祖芋十の主人(殿山泰司)に自慢するために立ち寄る。芋十にはひとり娘やっちゃん(佐々木愛)がおり、勇二とは恋仲という設定である。
(理容店の風景)
こうさくは若い頃、全国大会に出場し2等となった経験がある。息子には1等を取らせるために連日連夜の猛特訓が始まる。息子はお金を稼ぐために東京のホテルのバーバーで働くことを望むが、予選の関東甲信越理容競技大会に出場し2等となり、全国大会の出場を獲得する。大会はテレビ中継されており応援するが、こうさくはすでに癌に侵されており病床の中である。勇二はみごと優勝し、旗と賞状を持参するが、こうさくは命尽きており・・・・・・。