愛を乞うひと

(作品紹介)
  昭和30年当時の町並みを再現させたスタジオ・セットや合成、特殊メイクやSFXなど、日本映画の技術を駆使し、98年度各映画賞を受賞した、同年の日本映画を代表する傑作。発売元:東宝㈱配給・1998年作品・カラー135分

(ストーリー)
  敗戦の傷跡も色濃い1950年代、施設から母親・豊子に引き取られた娘・照江。その日を境に照江は凄まじい幼時体験をする。実の娘に日々殴る蹴るの虐待を加え続ける母。そんな暴力に耐えて育つ照江は、仕事帰りのある日、家を飛び出す。
  40代を迎えた照江は、一人娘を持つ母親となり、幼い頃死別した台湾人の父親の遺骨を探すため、台湾へと旅立つ。手がかりをたどるうちに照江は、再びよみがえる壮絶な過去の記憶と向かいながらも、いつしか今も生きている母に会う決心をするのだった…。

(理容店の風景)
  再会した母に、ヘアサロンで髪をカットしてもらった照江は、虐待を受けた子供の頃「髪を梳くのがうまい」と母に褒められ、とてもうれしかったこと、かわいいと愛して欲しいと願っていたことを思い出し、母を許していく。
  古いけれど、温かい雰囲気のサロンが、二人の距離を縮めている重要なシーンの演出効果を高めている。

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