(作品紹介)
写真家、荒木経惟氏が平成2年に亡くなった妻、陽子さんのエッセーに写真を添えたエッセー集をもとに、映画化したもの。夫婦の日常が淡々と描かれる作品の背景となる銀座、根津のおばけ階段、東京ステーションホテルなど東京の街並みが美しい。発売元:フジテレビジョン 1997年 カラー121分
(ストーリー)
脱サラした写真家、島津(竹中直人)の妻、ヨーコ(中山美穂)の様子が、このところ少しおかしい。サラリーマン時代の同僚を自宅に招いたところ、水谷(松たか子)を「谷口」と間違って呼んだことを気に病んで、台所から出てこようとしなかったり、同じマンションに住む男の子に女の子の服を着せようとしたり…。ある日、二人は新婚旅行で訪れた九州・柳川を旅行する。ぎくしゃくとした夫婦間の空気が和らいでいくように感じていたが…。
(理容店の風景)
島津は新婚旅行で行った柳川を訪れた折、理容店に立ち寄る。島津は1週間に1回、髪をカットすることにしているという。店主は「つむ(カットする)ところがない」というが、ヨーコとぎくしゃくした雰囲気からつかの間、癒されたいのだろう、シェービングをしている最中にぐっすりと眠ってしまった。やはり、理容店は癒しの空間だ。