(作品紹介)
倒錯の世界にのめり込んだ人々が繰り広げる人間模様。そこには純粋な愛の姿が。全編に登場する理容店は、人間の本質が表れる場だった。「理髪店主のかなしみ」制作委員会・2002年・カラー97分
(ストーリー)
路面電車が走る商店街にある理容店。平凡な日々を送る店主(田口トモロヲ)は、実は脚フェチ。そんな店主の前に脚の美しい麗子(須之内美帆子)が現れ、密かに好意を寄せた彼は後をつけ、うっとりとする。
ところが、麗子は常連客・坂口(柄本明)の彼女で、ひどいめにあっていることを知り、助けたい一心から坂口を殺す妄想を抱く。
そんなとき、麗子から助けを求める電話を受けて駆けつけたことから、思いもよらない事件に巻き込まれていく…。
(理容店の風景)
大小2機のサインポールが廻る店舗は、昭和40年代を彷彿とさせるレトロなたたずまいをみせる。落ち着いた、心地よい雰囲気を醸しだす板張りの床、白タイルの壁、そして3台のクラシックな理容椅子が置かれる店内には、ゆったりとした時間が流れる。
ひげを剃りながら会話を楽しむおなじみの風景が見られる一方、SMに興じる同業者や、店主が好意を寄せる麗子が助けを求めて飛び込んでくるなど、倒錯の世界の舞台となる。