(作品紹介)
役所広司、韓国トップスター・アン・ソンギら豪華なキャスティングで描く小栗康平監督作品。モントリオール世界映画祭審査員特別大賞、ベルリン映画祭国際芸術映画連盟賞等、数々の賞を受賞した。販売元:松竹㈱ビデオ事業室・1996年・カラー103分
(ストーリー)
山あいの温泉町。ここには山で事故にあって以来、意識を失ったまま眠り続けている拓次(アン・ソンギ)という男がいた。拓次の眠りと並行して、彼を山で発見した知的障害を持つ青年ワタル(小日向文世)、街のスナックで働く南アジアからやってきた女ティア(クリスティン・ハキム)、拓次の幼馴染の上村(役所広治)ら、この町で暮らす人々の営みがつづられていく。
春が来ると寝たきりだった拓次は息を引き取るが、そのころ神社で行われた能芝居を見たティアは、森の中で亡くなったはずの拓次の姿を見る。不思議な体験をした彼女は、導かれるように朽ち果てた山小屋へ向かい、そこでも不思議な体験をする…。
(理容店の風景)
旧街道に面した理容店。店先には、大きな玉のついたスタンド式のサインポールがまわっている。理容店主(蟹江敬三)は、向かいの呉服屋から「よくもまぁ、毎日外を眺めていられるねぇ」と言われているが、理容店主も呉服店の閉店作業を見ながら「今日もまた売れ残したる吊るし服」と、お互いに陰口をたたきあう。見たところ1人の店だが、拓次の葬儀にはサインポールを回したまま向かう。