(作品紹介)
発売元:松竹株式会社・1964年作品・カラー94分
(ストーリー・理容店の風景)
天性の鈍くささを馬鹿にされつつ、し尿回収業者として働いていた山口善助(渥美清)。ある日、赤紙が届いたことで、善助は戦地の中国に赴くが、食事や寝床が無料で提供される軍隊の生活に喜びを見出す。
軍犬部隊に配属された善助は、シェパード犬「友春」を相棒に生活していたが、終戦に伴い泣く泣く友春を中国に置いていく。日本に戻った善助は、友春の元の飼い主である久留宮ヤエノ(久我美子)を訪ねるが、美しい未亡人のヤエノに心を奪われて…。
赤紙が届いた善助が坊主頭にするため、真っ先に向かったのが、王夫妻が経営す理容室。交戦国である中国人の店ということから、椅子や道具がほこりまみれになるほど店内は閑散とし、王(小沢昭一)は内職をして糊口を凌いでいた。しかし、中国人であることを気にすることなく来店してくれた善助に感激した王は、むせび泣きながらも、手動バリカンで善助の頭髪を刈り、久々に腕を振るう。