(作品紹介)
ナサニエル・ホーソーン不朽の名作『スカーレット・レター』を、ドイツの新感覚映画監督ヴィム・ヴェンダースが映画化した作品。西ドイツ、スペイン合作・1972年作品・カラー90分
(ストーリー)
開拓が始まったばかりの17世紀のアメリカ。イギリスから移住してきたピューリタン(清教徒)の町に暮らす若き女性・へスター(ゼンタ・ベルガー)。彼女は、夫が旅に出ている間に不義の子を宿し、その子を女手一つで育てている…。人々の道徳観に反する彼女の行動は糾弾の的になり、姦通を意味する緋色の「A」(=adultery)の文字を縫い付けた衣服を着ることを義務づけられ、人々から虐げられている。
それでも彼女は、父親の名前を明かすことを拒み続ける。そんな彼女に、青年牧師・ディメスデール(ルー・カステル)は告白と改悛を促す。そんな中、へスターの夫・チリングワース(ハンス・クリスティアン・ブレヒ)が旅を終え、町に戻ってくるのだが…。
(理容店の風景)
わずか1分に満たないシーンだが、理容店が登場する。チリングワースが町中の小屋に入ると、理容椅子が映る。シーンが切り替わり、店主らしき人物は、チリングワースの口の周りについたシェービングクリームを無造作にタオルで拭き取るというもの。