(作品紹介)
第2次世界大戦後のアメリカでは、現実に起こりえない現代の奇跡物語や政治的主張をさりげなく訴える種類のメッセージ映画が流行した。本編はその両者が一体となった企画であり、グリーンの髪には強烈な反戦メッセージが込められている。株式会社アイ・ヴィー・シー 1948年・カラー83分
(ストーリー)
戦後まもなく、小さな町の警察に髪を坊主刈りにしたピーター少年(子役ディーン・ストックウエル)が保護された。かたくなに口を閉じていた少年は、やがて心理学者でもある医師(ロバート・ライアン)に信じられないような話をはじめる。
両親の爆死を知り、戦災孤児であることを知った少年の髪は、一夜のうちに鮮やかな緑色へ変わってしまう。「緑の髪は戦災孤児の象徴だ。子供達にとって戦争がどんなにひどいものかを世界に知らしめるためだ」と教えられ、少年は勇んで町に帰り、道行く人に緑髪の由来を説くが…。
(理容店の風景)
店頭には赤白のサインポール。ハイドリック椅子と大鏡、前洗面。鏡の間にはシェービングマグがボックスの中に並んでいる店内は戦後のアメリカの平均的な理容店風景だ。そんな平和な店内で、衆人監視の中でピーター少年の緑色の髪が電気バリカンであっという間に丸坊主にされるシーンは、衝撃的だ。