(作品紹介)
クレージー・キャッツのハナ肇主演の「馬鹿」シリーズ第3弾。「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督による初期の代表作。発売元:松竹株式会社ビデオ事業室・1964年・カラー93分
(ストーリー)
静かな海に面する日永村のはずれに、耳の遠い母(飯田蝶子)、ちょっと頭の弱い弟の兵六(犬塚弘)と暮らすサブ(ハナ)は、長患いの病気が全快した幼なじみの紀子(岩下志麻)から床上げ祝いに招かれたが、紀子の父親に追い返されてしまう。さらに、母親が村会議員に騙されて土地を手放すはめになり、長年、村人たちから蔑まれてきたこともあって怒りの頂点に達したサブは、納屋に隠していた戦車(タンク)で村中を破壊し始める…。
(理容店の風景)
囲炉裏端でたわいもない話をしていた村人たちは、戸外から中をうかがうサブに気づく。そこは村に一軒の理容店で、サブは翌日の紀子の床上げ祝いに備えて調髪に来たのだ。
理容椅子は1台で、すぐ背もたれが倒れてしまうオンボロ。ポマードで七三にきっちり固め、青々とした髭剃りあととなったサブの変貌ぶりを見て、当の理容師までが村人たちと一緒になって大笑いしている。
因みに、サインポールは地面に立てられた木製で、現在とは異なり白青赤の順(青と赤の間に白が入らない)に塗られているのが興味深い。