「女性の力を活かして“ブライダル産業・参入への挑戦”」
東北協議会代表 (山形県) 上林 徳子
「ご結婚おめでとうございます」
この挨拶から始まる出会いがあります。
私は今、エステシェービングの技術を活かし、花嫁さんが輝く最高の日のお手伝いをさせていただいています。
以前は、主人がカットをした後の、顔そりや、おまけのエステ、後はおしゃべりなど、心の中では、「あーあ、自分がメインの仕事がしっでなー」なんて考えながらも、居場所がさだまらず、中ぶらりんの状態でした。
そんな平凡な毎日を、大きく変える出来事があったのです。
それは、結婚式をまじかに控えたお客様の、ちょっとした一言でした。「理容店なら、ドレスに合わせて、綺麗に剃ってもらえますよね」「 ああ、そうか、エステサロンではシェービングができないもんね」何気ない会話でしたが、その時、ある思いが芽生えたのです。
理容師として、「ブライダル産業に参入出来ないだろうか」「肌を綺麗に見せたい花嫁さんに、シェービングは絶対必要だ」。そのためには、それが出来る環境とメニュー、新しい形の理容室が欲しい。思いは日を追うごとに膨らみました。
しかし毎日のように繰り返される主人との意見の食い違い。
泣きながら家を飛び出した事も一度や二度ではありません。田んぼの真ん中まで走っていき、「こったげ、頑張ってんなさ、なんでだろ…」それでも星空をながめているうちに「なんとがしてでぎねがな」という思いが込み上げてくるのでした。
そして、遂に、店の隣にあった車庫を改築し、「女性専用のお顔剃りサロン」をオープンすることが出来たのです。
開店当初は、時間をかけ丁寧にしかも、料金は抑えてが最高のサービスだと信じお客様のためと思い、一生懸命営業しておりました。ところが、ただがむしゃらな私を見て、主人から、「スタッフを育て、生産性を上げることが出来なければ、経営としては、成長しない」という指摘を受け、また落ち込んでしまいました。
そんな私の目の前に、全理連が推奨する「BBエステテック」が現れました。
それは、理容店のイメージを変え、スタッフの育成にも、大変役に立ち、更に、私が取り組んでいるブライダルメニューの幅を、大きく広げることにもつながっていきました。
その結果、オープンから4年、300人を超す花嫁さんと出会い、店の壁には自信と幸せに満ち溢れたお二人の写真をいっぱい飾ることができました。
私が、目標としてきた店づくりを、実現することが出来たのです。
今、業界に求められているのは、女性ならではの気くばりと明るさ、そして華やかさではないでしょうか?
それと、もちろん、男性理容師の力強い後押しと理解力は欠かすことができません。
女性理容師として、子を持つ母親として、次の世代を担う理容師達が、喜びを感じ、自信を持って、働ける環境を作りあげて行く事が、私達、今を生きる者の務めだと思います。
エステの需要が高まっている今、「理容師が行うシェービングは、安心で気持ち良くて、日本人本来の白い肌になれる」ということを、お客様に伝えながら、広めていき、「結婚式の前には、理容店で、シェービングしなくちゃね」と、花嫁さん、みんなに言ってもらえるような、そんな明るい未来を思い描きながら、女性の力を活かし、業界の仲間達と共に、ブライダル産業参入への挑戦を続けていきます。