色は、無意識のうちに人の心に働きかけ、影響を及ぼすといわれています。色についてはヘアカラーだけでなく、洋服や靴、バッグや小物など全体にかかわる要素ですが、どのような効果があるのでしょうか
例えば、白と黒、橙と青という色に対して、「白」は軽く「黒」は重い、「橙」は暖かく「青」は冷たい、という印象をもつ場合が多いといいます。また、「赤」には情熱的、行動力、自己表現などダイナミックな印象、「黄」は朗らか、愉快、発展など積極的な印象があります。これら多くの人が共通して感じられる印象を色の固有感情と呼んでいます。これをイメージと与える印象とに分類したのが下の表です。これとは逆に、自分の経験による主観によって各人各様に感じられる印象を色の表現感情といいます。
ヘアカラーは、ヘアスタイルの表現のバリエーション幅を広げるのと同時に、容姿、ファッション、ライフスタイルなど全体に調和した美しさを表現することを目的にしているものでしょう。同時に、若々しさややわらかさ、華やかさなど外見的な印象とともに、相手に対して心理的な印象も与えています。
アメリカでは、ブロンド(金髪)が純真さと若さを連想させることから女性の4割がブロンドに染めているといいます。
したがって、不用意な色を用いてしまうとせっかくの個性が台なしになってしまいますので、肌や瞳の色、普段主に着用する服装の色などから総合的に判断して色を選定しましょう。
適切な色を見つけるためには、まずどのような色が希望なのか、そのイメージを正確につかむことからはじめます。次に、ご自分の肌や瞳の色を観察し、色のマッチングを行います。このように多面的に捉えて適切な色を判断するわけですが、その見極めは中々難しいものです。ご自分に最もフィットする色を探すときは、最初にヘアカラーのプロであるヘアスタイリストに相談してみるのがいいでしょう。
それでは具体的に色の組み合わせをみていってみましょう。
暖色系のトーンにはレッド、ゴールド、イエローなどのアクセントを、寒色系にはブルー、アッシュのアンダートーンを用います。また、カラーリングには特に、肌の色合いや顔型の特徴等の組み合わせが重要となります。
一般的に、暖色系の黄色やゴールドを含んだ肌や瞳の場合にはゴールデンブロンドやレッド、ブルネット系のカラーが最も良くマッチします。
逆に、寒色系のブルーやピンクを含んだ肌や瞳の場合には、アッシュ系の寒色系のカラーが最も良く合い、また、ルックスも自在にコントロールできます。
また、明るい色は前に浮き上がり、暗く濃い色は後退する、ということを応用すれば、丸顔を細く見せる場合はトップでアシンメトリー(非対称)位置に明るいカラーに施すか、ヘムラインを明るいカラーで染めると額を広く見せることができます。頬をスリムに見せるためには、サイドをダークにカラーリングするのが最も良いでしょう。
表 カラーによるイメージと与える印象
カラー | イメージ | この色を着たときに与える印象 | この色を着た人からのサイン |
赤 |
色の中で最も |
自己表現ができる強い意志 |
疲労か怒りがたまり、短気になっている。また、気合いが入っている場合もある。 |
ピ ン ク |
優しい、女性的といわれる色 |
心豊かな優しさを持ち合わせる |
幸福な状態。 |
オ レ ン ジ |
楽しい、 |
組織立てることがうまい |
明るく、行動的になっている。 |
黄 |
賑やか、楽しい、 |
明るく笑う、朗らか |
明るく冴えた状態。 |
緑 |
カジュアル、 |
お茶目で明るい(黄緑) |
寝不足か、もしくは家庭のことで何か気がかりなことがある気配。 |
青 |
彩度の低い色。 |
権威。自信に満ち近寄りがたい |
精神的にも肉体的にも静かな環境を望んでいる。 |
紫 |
昔からあり、 |
芸術性にあふれ、感受性豊か |
より美しく、気品が感じられるようにしたいと望んでいる。奇をてらうことなく、芸術性や個性も表現することが求められる。 |
白 |
明度が最も高く、 |
毅然としている |
正直で素直な人を信頼したい気分。その期待に応える対応が重要。 |
黒 |
明度の最も |
自信が感じられる |
面識のない人とはあまり親しくしたくない気分。音や言葉、温度などを気にしている。静かにセンスよく対応することが求められる。 |