理容サロンの地震対策の備えと発生後の対応について
結城 幸一 (和歌山県)
◎日頃の備え
・緊急避難場所の告知
サロン内に緊急避難場所やハザードマップを掲示し、お客様に日頃から周知します。
・避難経路の確保
ドアや通路に障害物がないようにし、来店しているお客様やスタッフの避難経路を常に確保しておきます。停電時用のライトや消火器の位置をあらかじめ把握しておくことも大切です。
・機器の転倒防止対策
倒れる危険性がある機器は、使わない時は壁などに固定したり、キャスターストッパー等で転倒や走り出しを防止できます。
またサロンには多数の商品があるため、棚がある場合は扉ストッパーを取り付けることで商品の飛び出しを防げます。
・店内に閉じ込められた場合の必要な備品
お客様やスタッフが店内に閉じ込められ、身動き出来ない緊急時の対策として以下の備品も準備しておきましょう。
1.水
飲料水を常備します。
2.非常用トイレ
大人でトイレに行く回数は1日約5~7回と言われています。排泄後ジェル化し始める吸水シート付きトイレ袋を用意します。
3.防災防犯用ホイッスル
軽く吹いても音が届きやすい緊急用ホイッスルをスタッフ全員に配布します。
4.応急手当キット
怪我をした場合に備えて、応急手当キットを用意します。
5.懐中電灯と予備電池
停電時に備えて、LEDの懐中電灯と予備の電池を用意します。
続いて施術中に大地震が発生した際の対応ついて考えてみましょう。
◎発生後の対応
1.カット中
すぐに避難できるようにカット中のお客様には速やかに避難を促します。
2.毛染め中やパーマ施術中
毛染めが付いた状態やパーマ施術中でも頭にタオルを巻いて避難するように指示します。状況によってはタオルを複数枚渡したり、キャップを被ってもらいます。
3.シャンプー中
シャンプー中のお客様には、泡がついた状態でも頭をタオルで覆い、速やかに避難を促します。状況によってはタオルを複数枚渡したり、キャップを被ってもらいます。
サロンではテーブルの下にもぐるなどは難しいので、バックやカバンなどで頭を守り、ショーケースなど倒れやすいものから離れ、いつでも逃げられるようにドアや窓などを開けて出口を確保しましょう。必要に応じて避難誘導します。
巨大地震発生時は揺れが大きく何かをするにも困難を極めますが、平常時からスタッフ全員で定期的に避難訓練を行い、地震対策に備えておくことが身の安全につながります。安全第一で、皆さんが安心して利用できるサロンを目指しましょう。