約30年間、業界誌などでヘアスタイルの写真を撮り続けているカメラマンの浅賀百毅さん(57歳)が、被写体を自然風景に変え、6月6日から12日までの7日間、銀座の富士フォトサロンで自身初の個展となる写真展を開催した。
展示作品は、勤務していた業界出版社を退職してから1年以上をかけて日本各地の四季を撮り続けてきたものと、故郷の伊豆の風景など、あわせて約50点にのぼった。
自然写真は、一瞬のシャッターチャンスが勝負だという。朝の空気が澄んでいる時や夕暮れの時を狙って、何日も一箇所に留まってカメラに収めた。
浅賀さんがカメラマンとなったのは、25歳の時。始めは無我夢中で仕事をこなしていたが、30歳を過ぎた頃から、写真の面白さが徐々に解るようになってきたという。
その頃から、ヘアスタイルの写真だけでなく、住まいのある東京下町のお祭り写真などを撮り始め、さまざまな変化を遂げる東京の街の風景を現在も撮り続けている。芸術作品のようなヘアスタイル写真や、美しい一瞬の風景をとらえた写真も好きだが、動きのある街の人の姿を見て撮っているのがいちばん楽しい、と目を輝かせて語る。
この個展の開催にあたって、浅賀さんは読売新聞にもとり上げられ、話題を集めた。
昨年からは中央理容専門学校でヘアスタイル写真の講座も担当している。「若い人たちに教えるのは大変難しい」が、自分にとっての大きな刺激にもなるという。
「写真とは生きるビタミン剤」と語る浅賀さんのヘアスタイル写真は、「理容展望」で見ることができる。
浅賀さんの風景写真
(平成15年8月1日付け№335掲載)