外国人墓地や港の見える丘公園などの観光スポットが点在する、横浜・山手に建つレンガ造りの瀟洒な建物、それが「岩崎ミュージアム」だ。同館は、アール・ヌーヴォー期(1890~1900年代)とアール・デコ期(1920~30年代)のフランスを中心とした服飾資料や美術工芸品、約100点を常設展示するファッションとアートの博物館で、日本初の西洋式劇場「ゲーテ座」を記念して、その跡地に新生「ゲーテ座」とともに建てられた。
展示の目玉は、古代から現代までの衣装の変遷を1/2縮尺の人形とファッションプレートで見せる『シルエットの変遷』。同館の杉田慈さんは「1800年頃に流行したエンパイアスタイルなどは、現在でもウエディングドレスなどのシルエットとして生きています。流行は繰り返すと言いますが、過去を知ることは、新たな流行のヒントになるかもしれません」と展示の魅力を語る。ファッションに携わる者としては、一度は訪れたい場所だ。
シルエットの変遷コーナー。女性の装いには、服飾技術の向上や時代背景が表れている |
●岩崎ミュージアム
住所/神奈川県横浜市中区山手町254
TEL/045-623-2111㈹
交通/みなとみらい線「元町・中華街」6番出口より徒歩3分
開館時間/9:40~18:00 休館日/月曜日 入館料/300円(大人)
※ロココ、バッスルなどの時代衣装を着た記念撮影コーナー有り(女性のみ) 2,000円~
※オリジナルスープやデザート、個性豊かなアーティストのポストカードが愉しめる「おてがみカフェ」併設。
(理楽TIMES H22.10.1 付No.421掲載)