今年の7月から8月にかけての1週間、東京都千代田区の日比谷公園で開催された「大輪朝顔展(主催・東京朝顔研究会)」で、東京都の川西紀江子さんが、幻の朝顔といわれる8寸花を見事に咲かせ、農林水産大臣賞を受賞した。
物心ついた頃には、すでに花や植物が大好きだったという川西さんは、長年、大菊や盆栽、皐、ランなどたくさんの植物を育ててきたが、大輪朝顔の栽培をはじめたのは、わずか2年前のことだった。
「朝顔って小学校で作りますよね。友人からすすめられたときは、何で今さら…と思いましたよ。でも、やってみると面白いですよ」―季節には、朝3時半に起床し、丹念に手入れをしてから仕事に入る。
来店ついでに水やりを見に来るというお客さまの応援もあり、店で配る自作の朝顔の写真入りカレンダーも好評だ。
朝顔作りはまだまだ素人と語る川西さんだが、100年を超す歴史をもつ大輪朝顔展で、1年目から新人賞、そして今年は大臣賞を受賞した影には、何ごとにも手を抜かずに力を尽くすという姿勢が、成果につながっているのだろう。
「賞を取ることよりも、花自身が喜んでくれるような、きれいな花を咲かせたい」。来年からは講師として講習も行うという川西さん。手抜きのないまっすぐな姿勢で、理容の仕事にも朝顔にも、全力投球の毎日だ。
(平成16年12月1日付けNo.351掲載)