黒曜石や貝殻を使ったカミソリや古代エジプトのカミソリ、レーザーそして日本刀――毎日の仕事の中で手にしていても、意外に知られていないカミソリの歴史。その歴史を展示・紹介している岐阜県関市のカミソリ文化伝承館・フェザーミュージアムには、5000点にものぼるカミソリ関連資料が展示されている。
所蔵品は、カミソリはもとより、ひげ皿、理容椅子、てっぽう、レーザー、家庭用の安全カミソリにいたる多彩なもので、理容の歴史を道具の側面から垣間見ることができる。加えて、カミソリの歴史やヒゲの科学的分析、ヒゲ剃り逸話集などの解説もあり、「ヒゲ剃り」という日常を「文化」として再認識させてくれる内容でもある。
展示以外にも、カミソリやヒゲに関する動画が流れる映像ホールや、世界に一つだけの自分用安全カミソリが作れる体験工房、自分の顔にヒゲや髪をコラージュできるヒゲビジョンなどのコーナーがあり、大人から子どもまで楽しめる。
フェザーミュージアムは、フェザー安全剃刀㈱(後藤雄介社長)が創業50周年を機に、資料保存と文化の伝承を目的に設立したもので、当時社長だった岸田昌久さん(現会長)を中心に替刃の包み紙から収集を始め、今では10000点にものぼる所蔵品を有する。
「職人次第の、製品にバラつきのある時代を経て、今のような安心して使える製品へと成長してきたわけです」と同社で長年品質管理を担当してきたミュージアム事務局の山田八郎さん。その傍らには、創業当時の原始的なカミソリ製造機があり、職人の手で、替刃が一つひとつ作られていた時代を偲ばせてくれる。
●フェザーミュージアム
住所/岐阜県関市日ノ出町1-17
℡.0575-22-1923
http://www.feather.co.jp/jMuseum.htm
交通/東海北陸自動車道 関I.Cより車で10分
開館/9:30~16:00(毎週火曜日休館)
入館料/無料 ※7名以上の団体は要予約
(『全理連』 平成18年11月1日付けNo.374掲載)