東京・代々木の全理連ビルに「理容ミュージアム」という、理容の歴史を展示した史料館がある。
館内には、江戸時代から現代までの理容に関する史料がショーケースに陳列されており、実際に使用されていたハサミやバリカン、アイロンなどの器具、約1世紀前の業界誌などのほか、理容椅子やサインポールなどの大物も展示されている。
展示物の中には、江戸時代の髪結いの道具箱や明治時代の料金表など、今ではなかなかお目にかかれない貴重な品も並び、特に昭和天皇が実際に使用されていたハサミやカミソリ、理容椅子などを展示したコーナーは、来館者から強い関心を集めている。
各時代の理容椅子 |
断髪令の発令やエステ伝来など、各時代の出来事や時代背景を解説したパネル展示や、理容の流れをまとめた動画の放送など、わかりやすく理容の歴史を伝える同館。サインポールの赤白青の秘密や「床屋」という呼び名の由来などの雑学も満載で、理容師なら1度は訪れたい場所だ。
来館者は理容師や学生のほか、テレビや雑誌、映画制作会社などが多く、番組や映画の参考にされることもしばしば。一度訪れてじっくり目に焼き付けておけば、映画の理容シーンで「あのてっぽうは展示物のレプリカだな?」とか、「あの椅子は展示品の実物!」など、新たな楽しみ方が見つかるかもしれない。
昭和天皇の調髪の際に使用された器具 |
理容ミュージアム
住所:東京都渋谷区代々木1-36-4 全理連ビル4F
℡:03-3379-4111
アクセス:JR代々木駅北口正面
開館時間:平日10:00~15:00
※土日祝は休館
入館料:無料
(理楽TIMES H26.11.1 付No.470掲載)