新潟市西蒲区の遍照寺に、理容学校の教員だった故・本間吾郎氏が建立した「真髪観世音菩薩」がある。
この観音さまは、同氏が業の尊さを感じ、頭髪の供養を思い立って、昭和40年4月に建立したもので、永世護持のために地元の理美容業者が講をつくり、毎年真髪供養祭を開催して大切にお守りしてきた。現在の観音さまは、像の老朽化などにより、平成15年に建替えられた三代目で、御影石像のご本体は台座を含めると3.8m。優しい微笑みで理美容業者を見守っている。
講の事務局長を務めるのは、長谷川松夫さん。一時は途絶えそうになった真髪講を、理容美容の支部、業者に働きかけ再興し、毎年9月の第4月曜日に供養祭を休まず開催してきた。
真髪観音を守ってきた長谷川松夫さんと奥さまの久子さん
今年も9月24日、早川幹夫新潟県組合理事長、理容美容の西蒲支部のもと、第54回供養祭を開催。西蒲支部の各店舗から集められた刈毛が像台座内に収められ、寺住職から供養経があげられた。
長谷川さんは「理美容業者が一緒になって、髪への感謝と業の繁栄を願いお祀りしている像であり、講です。髪への感謝、お客さまへの感謝という初心を思い出すためにも、こうしたシンボル、祭があることは素晴らしいですし、講も明るくにぎやかに拡大していきたいです。真髪観音参りは商売繁盛の近道。ぜひ全国からお参りに来てください」と語った。
遍照寺・真髪観世音菩薩
新潟市西蒲区赤鏥甲572
JR「巻」駅徒歩8分
(理楽TIMES H30.11.1 付No.518掲載)