長野県小諸市で「BARBER WADA」を経営する和田武久さん・久子さん夫妻の趣味は、社交ダンス。しかし、そのレベルは趣味の域を遥かに超えている。 昭和44年頃、近くに教室ができたことを契機に夫妻で「何となく」始めたが、何事にも一生懸命になるという武久さんの性格が頭をもたげて本格的に学びたくなり、お客さまの紹介で長野市の教室に通うことに。やがて、長野通いと並行して月に1~2回は東京まで行くようになるほど、真剣にレッスンに励んだ。 その中で、培った実力を試すべく競技会にも出場するようになったが、その白眉が、昭和55年の日本インターナショナルダンス選手権大会。現在、国内で最も権威と伝統があるともされる大会だが、小沢辰男厚生大臣(当時)を大会名誉会長に、日本武道館で開催されたその第1回大会で夫妻は、シニア・ラテンの部で見事に優勝を果たした。 |
第1回日本インターナショナルダンス選手権大会の |
優勝した第1回日本インターナショナルダンス 選手権大会での夫妻の華麗な舞い |
その後、競技からは引退したがレッスンは続け、8年前からは自ら教室を主宰、後進の育成にも当たっている。現在は夫妻でサロンに立ちながら、週に3日は営業後に教室で指導し、別に月に2回、老人ホームでも教えるという多忙な日々を送る。 「ダンスで培われた体の動きや感性は、仕事上でも例えば技術中の所作やデザイン感覚などに好影響を与えているようです。健康や体型の維持にも役立っていますが、楽しみながら続けてきたことで仕事にも意欲を持って取り組めたことが最も良かったと思います」(和田さん夫妻)。 現在の活動から退いたら、ボランティアで教えて組合員にその良さを伝えたい、とも語る夫妻。残念ながらその時は、まだしばらく訪れそうにない。
(理楽TIMES H22.5.1付けNo.416掲載) |