東海道の理容店、86軒を収めた写真集『東海道中床屋ぞめき』(風人社・1,400円)が4月に発売された。
撮影者は林朋彦さん。出版社でカメラマンを務める林さんが、2012年5月から昨年12月まで自らの足で東海道を歩き、撮りためた写真をまとめたものだ。
林さんが出版した理容店の写真集 |
東海道で何かをしたいと考えていたという林さん。仕事道具のカメラと趣味のウォーキングを活かすことを思いつき、休日を利用して、ローカル電車と徒歩で理容店を撮影する旅を始めた。昨年夏と今年の4月には写真集と同名の写真展を開催し、8月には京都でも開催の予定だ。
写真の中の理容店は懐かしさを感じさせつつも、一つひとつに店主の個性を感じさせる味わい深い店ばかり。当初、写真集にする予定はなかったが、店の雰囲気をより多くの人に伝えたいという思いが芽生え、知人の協力を得て、出版と写真展にこぎつけた。目標となる100軒目を目指し、今後も旅を続けていきたいという。
「撮影したサロンのほとんどは創業から時間が経ち、生活感を感じさせますが、私はその点に魅力を感じています。東海道の終着点である京都での写真展の実施は偶然によって決まりましたが、不思議な縁を感じますね」と林さん。写真展は8月27日から9月8日まで、京都ギャラリー古都で開催される。
展示会の様子 |
(理楽TIMES H27.7.1付けNo.478掲載)