Vol.69 初の画集を出版、142点の貼画や油彩画を収録 福田勝雄さん(栃木県日光市)

 「画集を出版することは昔からの夢でした」と語るのは、栃木県日光市で理容店を営む福田勝雄さん。40年以上にわたる創作活動の集大成として、初の画集を出版した。

  画集には、日光の四季折々の景色や花々のほか、海外旅行で訪れた観光名所の風景など、142点を収録。昨年の全国ねんりんピック美術展・工芸の部、銀賞獲得と友人のすすめなどをきっかけに出版に踏み切った。

  高校時代に浮世絵を模写したことから絵に興味を持ったという福田さん。卒業後は理容師になるため修業に励み、理容店を開業した後も仕事が忙しく、まったく描けない時期が続いたそうだが、絵に対する情熱が薄れることはなかった。30歳頃から市内の絵画教室に通って、デッサンと油彩画を学び、以来、仕事の合間を縫って描き続け、これまでに300点以上の作品を創作してきた。

初の画集を手にする福田さん

   創作内容は、油彩画や水彩画、貼画(てんが)。「以前は油彩画を中心に創作しておりましたが、現在は10年ほど前から始めた貼画に力を入れています。スケッチをもとに水彩画を完成させたら、同じ題材で貼画に改作するのが今の主流です」と自己の創作スタイルを語る。

 美術展での受賞歴もあり、前出のねんりんピックのほか、全理連美術展など入賞多数。さらに、本年10月のねんりんピックにも栃木県代表として貼画を出展することが決まっている。

 これほどの腕前を持っていても、未だ納得できる作品は1つもないという福田さん。「見る人に感動を与えられる、心休まる作品をつくり上げることを目標に、健康なうちは絵を描き続けたいですね」と今後の創作活動にも意欲をみせている。

全国ねんりんピック美術展で銀賞を受賞した貼画『蔵の街』

(理楽TIMES H27.10.1付けNo.481掲載)

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