愛媛県喜多郡内子町の理容師・今宮健志さんは、今年7月に行われた地元商店街の内子夏祭りのイベント「造り物コンクール」で、自店で出た刈り毛を使い、龍と鳳凰のデザインを描いた「髪の毛アート」を出展し、全14店が参加する中、金賞に輝いた。 この「造り物コンクール」は、商店が店にある物を使って作品を制作することがルールで、花屋さんが花を使ったり、雑貨店が洗濯ばさみを使ったりと、様々なものがアートに変身する様がおもしろいとお祭りの目玉企画となっている。 修行先から戻った16年前から地元のお祭りを盛り上げたいと「造り物コンクール」に参加してきたという今宮さん。「これまでは立体の作品を制作してきましたが、今回の作品は砂絵のアート作品をヒントに髪を貼り付ける構想が浮かびました。描いた下絵に合わせ、色を表現する箇所は髪の毛を |
県講師も務める今宮さん |
脱色し、色を染めて貼り付け、構想から3年以上をかけて完成させました。理容とアートはやっていることは大きく違うように見えますが、作品に取りかかる前の準備が大切なのは営業と同じだと思います。まずは状態の観察と仕上がりのイメージが先で、それからどのような工程で仕上げるかを考えます。結果と工程をイメージすることは仕事にもとてもプラスになっています」とアート作品作りが仕事にも役に立っているという。髪の毛で描いてあることに気が付いた瞬間の驚きの表情を見るのが楽しみだという今宮さんは、地元のためにも毎年続けたいと今後の作品作りに意欲を見せている。 |
龍と鳳凰のデザインで金賞を受賞した「髪の毛アート」作品 |
(理楽TIMES H28.12.1付けNo.495掲載)