全国理容中央学園理事などを務める渡部丈夫さん(62歳)は、平成14年10月20日、中国郵政発行の記念切手に採用された。
渡部さんが初めて中国に行ったのが、平成元年。中国政府からの要請で北京の「北京民族職業高中学校」で1,800人の生徒に職業訓練指導を行い、理容の技術のほか、日本語やマナーなどを教えた。
その後も、「中外友人中秋賞月大会」といったヘアショーを日本の理美容師と北京釣魚台迎賓館で開催するとともに、日本人理容師を中国政府機関の理容室に派遣、また中国人理容師を渡部さんが受け入れるなど、日中友好に尽力してきた。現在は「北京民族職業高中学校」の名誉校長を務めている。
渡部さんはさらに、日本の理美容企業をはじめ一般企業も「日中企業交流会」という団体を通じて中国政府に紹介するなど、幅広い業務を行っている。こうした一連の活動に対して、中国政府がその貢献度を高く評価し、中国郵政発行の記念切手採用になった。
しかし、このことは渡部さんが昨年、中国政府が北京釣魚台迎賓館で開催した「日中友好30周年記念式典」に招かれ、同式典席上で切手の授与がされるまでは本人には全く知らされず、まさに驚きの切手採用だったそうだ。
この人物切手には日中友好親善に功績のあった人物が採用されるとのことで、今回の渡部さんの採用がいかに名誉なことであるかがうかがえる。
最後に、渡部さんは授与後、同国の郵便局に行った時、渡部さんが切手の人物だと分かり、郵便局職員が大騒ぎしたという逸話を語ってくれた。
(平成15年5月1日付け№332掲載)